ロータリークラブの歴史・規模
日露戦争で日本が勝利したのと同じ1905年(明治38年)、米シカゴで弁護士ポール・ハリスが仲間3人とともに、友情をはぐくむと同時に互いの仕事上の取引にも役立つようにと旗揚げしたのがロータリークラブで、やがて職業や社会活動を通じた人道的奉仕を実践しようと理念を発展させました。
ロータリークラブの名称は創立当初、会員それぞれの事業所でローテーションを決めて会合を開いたことに由来します。ロータリークラブのシンボルマークである歯車もローテーション(回転)するものです。
現在は世界で200を超える国・地域に計3万6,000を超えるクラブがあり、会員総数120万人に迫るネットワークをつくっています(2021年2月末時点)。
日本のロータリークラブ
日本では、三井銀行の重役だった米山梅吉が1920年(大正9年)に東京ロータリークラブを創設したのが始まりで、世界で855番目のクラブでした。関東大震災が発生すると国際ロータリーや世界各国のクラブから義援金が届き、小学校への備品寄贈、孤児院新築などに役立てられました。その後、大阪、神戸、名古屋、京都などにクラブが広がっていきました。
ロータリーの本部が米国にあることから、戦前・戦中には弾圧を受けました。一時は国際ロータリーから脱退して国内すべてのクラブが解散し、非公式に活動せざるをえませんでしたが、戦後に国際ロータリー復帰が認められたあとはクラブ数が急速に拡大しました。現在では国内を34に分けた地区で合わせて2,200余りのクラブがあり、計8万6,000人を超える会員が活動しています(2021年2月末時点)。
ロータリークラブの活動
ロータリークラブは、それぞれが仕事をするうえで高い道徳観を持って奉仕の理念を実践する「職業奉仕」、地域の人々の生活向上に取り組む「社会奉仕」、国際的な交流や支援プロジェクトに参加・協力する「国際奉仕」などを「五大奉仕部門」とし、重点を置いて活動しています。
各クラブでは、例会やさまざまな行事で親睦を深めたり研さんを積んだりするほか、国内を34に分けたそれぞれの地区内や、地区をまたいだ日本各地、さらには世界のクラブとの交流や研修によって仲間を増やし、奉仕の力としています。
また国際ロータリーが取り組む平和の推進、ポリオの根絶、安全な水や衛生環境の提供などの国際的活動も直接・間接に支援しています。
ロータリーの目的と四つのテスト
国際ロータリーは「ロータリーの目的」を策定し、奨励しています。また、発言や行動に際して自らに問いかける倫理指針「四つのテスト」を掲げています。
内容はそれぞれ次の通りです。
ロータリーの目的
ロータリーの目的は、意義ある事業の基礎として奉仕の理念を奨励し、これを育むことにある。具体的には、次の各項を奨励することにある。
第1 |
知り合いを広めることによって奉仕の機会とすること。 |
第2 |
職業上の高い倫理基準を保ち、役立つ仕事はすべて価値あるものと認識し、社会に奉仕する機会としてロータリアン各自の職業を高潔なものにすること。 |
第3 |
ロータリアン一人一人が、個人として、また事業および社会生活において、日々、奉仕の理念を実践すること。 |
第4 |
奉仕の理念で結ばれた職業人が、世界的ネットワークを通じて、国際理解、親善、平和を推進すること。 |
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(RI定款第4条、標準クラブ定款第4条) |
四つのテスト
言行はこれに照らしてから |
1. |
真実かどうか? |
2. |
みんなに公平か? |
3. |
好意と友情を深めるか? |
4. |
みんなのためになるかどうか? |
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